力を抜いて子育てを
〜親子の思い、せりふに託して〜
いじめや子育ての悩みの電話相談を行っている市民グループが、子育てをテーマにした手作りミュージカルに取り組んでいる。
子供をありのままに受け止めて、肩に力を入れずに子育てしてほしいとのメッセージを伝えたいという。このグループは、教師や大学教授、主婦らが中心となって、東京都内で結成された。
当初は、学校での悩み事を抱える子供達のための電話相談を中心に、活動してきた。ところが、相談の中には、子どもとの関係に悩む親からのものも少なくない。
「部屋に入るとうるさがる」「子どもが会話を嫌がる」・・・。そんな子育ての悩みを吹き飛ばしてもらおうと、同グループのメンバーでシンガー・ソングライターの岡田ユキさんが、自らの育児体験も踏まえて、自作の歌と寸劇で構成した。
公園デビューや学校の進路相談で思い悩む母親、育児に参加しようとしない父親、母親にがみがみ言われてうんざりしている子供が登場。互いに面と向かっては言えない思いを、せりふに託して語り掛ける。
「身近にいる子供が分からないという現代のお母さんは、愛情を注いでいるつもりが、世間の価値観を押し付けているだけだったりする。いつから点数や学校のことで子供を追い込むようになったのか、立ち止まって考えてもらいたい」と話す岡田さん。
マニュアルや情報に振り回されずにわが子を受け止めて、「母親自身が子育てを楽しんでいる姿を子供に見せていくことが大事なのでは」と訴える。
大人と子供が遠慮なく意見を出し合って一つのものを作り上げている作業を通して、思い掛けなく互いの積極的な姿も見えてきたとか。
(1998年9月28日 時事通信社配信記事)
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